獣医さんに行くと必ずと言っていいほど勧められるのは避妊手術です。
動物病院に行ったことのある方は1度は経験あるのではないでしょうか。
色々な病気を未然に防ぐことができるとは言いますが、実際のところどうなんでしょうか。
今日は避妊手術についてお話したいと思います。

まず避妊手術ってどんなことをするの

不妊手術は、もともと望まれない妊娠による不幸な動物を増やさないために行われていた手術です。オスでは精巣を摘出(去勢手術)、メスでは卵巣(および子宮)を摘出(避妊手術)します。

しかし最近では、本来の目的である「望まれない妊娠を避けること」よりも、将来的に起こる可能性のある性ホルモンに関する疾患、または性ホルモンによって誘発されるマウンティング等の問題行動を防止することに重点が置かれて勧められることが多いようです。

避妊手術によるメリット

メリットその1~望まれない交配による妊娠を避ける~

最近は減ったとはいえ、今でも年間10万頭の犬が殺処分されています。もちろん全てが子犬ではないですが、重く考えるべき問題であることに変わりはありません。

犬が出入り自由な環境にいるのでしたら、ご近所に迷惑をかけないためにも必要かもしれません。また、脱走や迷子のときの望まれない交配も避けることができます。

メリットその2~問題行動の抑制~

手術をすることによって性ホルモンが分泌されなくなるため、それが関与していた行動は表れにくくなります。メスは発情によってそわそわすることがなくなり、精神的に安定すると言われています ただし個体差もあり、術後もあまり変わらないこともあります。

また、発情出血がなくなるため、生理期間中の管理がしやすくなります。ちなみに、基本的に犬の発情周期は死ぬまでなくなることはありません。
※卵巣機能の異常などで発情周期の変化や出血量の変化があり、これを閉経と勘違いされることがあります。

メリットその3~病気を未然に防げる~

子宮蓄膿症
これは出産未経験の高齢のメスに良く見られる疾患で、発生率が15%ほどという情報もあるくらいの良く見る疾患です。
通常膣粘膜は酸性に傾いているため細菌の進入はおこりません。

しかし発情期になると卵巣(黄体)からホルモンが分泌されます。この時期は細菌感染による防御力が弱いので、外から細菌が進入すると子宮内で増殖し「膿汁」といわれる膿がたまります。これが子宮蓄膿症です。避妊手術を行うことによって、この病気の発症を予防することができます。

乳腺腫瘍
元々メスの500頭に1頭で起こるといわれている病気です。
犬の乳腺腫瘍の場合は性ホルモンが重要視されています。その理由は初期発情前に避妊した犬の発生率が極端に低い事、また発情がおこる回数が多いほど徐々に発生率が上がっていく事によります。

現在では、初回発情前で避妊→0.05%、1回発情→6~8%、2回以降は25%くらいの発生率だといわれています。
メスの全腫瘍の半分がこの腫瘍です。そして、良性と悪性の割合が50%対50%で更にその悪性の中でも悪い腫瘍の割合が半分くらいの割合です。つまり25%ですね。避妊手術を行うことによって、この病気の発症のリスクを少なくすることができます。

避妊手術によるデメリット

デメリットその1~麻酔のリスク~

避妊手術は、全身麻酔を必要とする手術です。麻酔をかけるリスクを考えにいれなければいけませんしその危険性は0%ではありません。麻酔をかける前の健康診断で問題がない場合は麻酔に対して問題はないと思われますが、中には麻酔に対してアレルギーを持っている場合や、ブルドックやフレンチブルドック、ボストンテリアなどの短頭種では麻酔後に気道が閉塞してしまう危険性もあるため、全身麻酔に関しては十分に慎重にならなくてはいけません。

また、若くて健康な犬であればそのリスクはほとんど問題になりませんが、高齢犬や小型犬、著しく体力が低下している犬の場合は予想外の反応を示すことがありますので注意が必要です。

デメリットその2~肥満~

避妊手術を行った後に、肥満傾向になることは分かっています。これは、もともと卵巣や子宮の消費カロリーが15~30%あるにも関わらず、食事量が変わらないということから来ていると考えられています。つまり、必要以上のカロリーの取りすぎているということです。

また、行動範囲が狭まることからも運動量が減りますが、食欲は変わらないか増加する傾向にあるため、その食欲にあわせて食事を与えていると太ってしまいます。これは食餌の管理や適度な運動をしっかりすることで防ぐことができます。

デメリットその3~尿失禁~

これは卵巣から分泌される性ホルモンが尿の調整に関与していると考えられ、このホルモンの分泌がなくなることによって、尿失禁が起こると考えられていますが、直接的な関係はまだ証明されていません。

また、手術の術式により尿失禁を起こす発生率が変わるとも言われています。小型犬よりもドーベルマンやボクサーといった大型犬の方が比較的発生する確率が高い傾向にあります。尿失禁の治療には、長期的なホルモン剤の投与が必要となり、薬の副作用について考慮しながら、その後寿命が来るまで薬を飲まなくてはいけない場合もあります。

デメリットその4~ホルモンバランスの崩れによるトラブル~

膀胱腫瘍、悪性腫瘍の発生、前十字靱帯の断裂、甲状腺機能低下症などの疾患は、卵巣を摘出した動物では、摘出していない動物よりもその発症率が増加したとの報告があります。これらの疾病との因果関係はまだ十分に証明されていませんが、ホルモンバランスの乱れによる皮膚病などは発症する確率が高いようです。

避妊手術について考えてみた

避妊手術に対するメリット、デメリットをお話してきました。
それを踏まえて私の意見をちょっと述べさせていただきます。
あくまで私個人の意見ですので、さらっと読んでいただけるとありがたいです。

私は避妊手術の必要性はないのではないかと思います。
もちろんメリットとしてあげた病気を未然に防げることも大事です。

獣医さんや通っていた大学でも「避妊手術は大切です。できれば飼い主さんに勧めて下さい」と教えられてきましたし、それが正しいことだと思っていました。でも、メリットとしてあげられている子宮蓄膿症や乳腺腫瘍は発症してからでも手術で切除することができますし、病気の発症率もあまり高くないように感じます。

病気を未然に防ぐために健康な体にメスを入れることが、必ずしも正しいとは言えないのではないでしょうか。

人間でも様々な疾患にかかりますが、それを予防するために臓器を切除することはありませんね。また、望まない妊娠もオスとメスを一緒に飼っている場合は発情期のときのみ部屋を分けるなど、飼い主が管理することで防げると思います。

ですが、最終的に手術をするかしないかを決めるのは飼い主さんです。

メリットの部分をみて手術をするのも良いと思います。自分の都合のために手術を行なうのか、犬のために手術を行なうのかその部分をよく考えて選択してください。体にメスを入れずに一生を送れるのなら、自然のままという選択もいいのではないかと私は思います。

避妊手術をしようかなと迷っている方の参考になれば幸いです。

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金丸 の紹介

宮崎県出身の動物看護士。2011年4月からルシアンの一員として一緒に仕事をしています。大学では、犬が室内(フローリング)で走ったときの床のすべりについての研究をしていました。

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