BHTは石油の抗酸化剤として用いられた化学物質です。油脂に対する抗酸化作用が認められたため、日本では１９５６年に食品添加物として許可されました。

BHAと化学構造が似ており、日本で行なった動物実験の結果、学習の障害や脱毛、行動異常が見られ、アメリカの実験報告によれば膀胱ガンや甲状腺ガンを誘発する可能性も確認されました。

BHTなどの化学毒性を持つ化学物質は、使用量や摂取量が決められており、その範囲内での使用が許可されてはいます。BAT・BHAなどそれぞれの化学物質に対する個別の使用基準量は定められていますが、他の薬品と併用された場合の相乗毒性の試験はまったく行われていません。

特にBHTは妊娠ラットに投与して子供ラットに単眼症が発生することが報告されているにもかかわらず、その発生が少数であったため、問題にされなかったという経歴を持つ恐ろしい化学物質です。

BHTやその他の酸化防止剤が添加されたおやつやウェットフードなども多く出回っており、一つ一つは微量でも全体的に見るとかなりの量を体内に取り込んでいる恐れがあります。特に半生のフードや半生のおやつなどを選ぶ際には、酸化防止剤や着色料などに十分注意が必要です。