エトキシキンは非常に強い抗酸化作力を持つ合成抗酸化剤です。防腐力が高く非常に安価なため、飼料の添加物として世界中で使用されていますが、日本では食品添加物としても農薬としても認可されたことはありません。
毒性が強いため人間用の食品で使うことは禁じられているのです。平成14年には原材料に酸化防止剤としてエトキシキンが使用された輸入健康食品が流通して大問題となりました。
食品へ直接添加することは認められていませんが、家畜や一部の魚の飼料への添加だけは認められています。しかし、その飼料を食べた家畜や魚の体内に残留したエトキシキンの量は厳しく規制されています。ちなみに、人間の食材への許容残留量は1ppmです。
それに対して、人間より体の小さな犬や猫が食べるペットフードへのエトキシキン添加許容量は、ドッグフードで75ppm、キャットフードで150ppmとなっており、人間の食材に対する量と比べるとその多さに驚きます。
ペットフードの基準値を設けているAAFCOが、飼料又は原料に150ppm以下の添加を認めているため、ペットフード業界ではエトキシキンの150ppmの添加を問題視する動きはありませんでした。
しかし、FDA獣医医療センターは、飼い主からの報告を元に、ペットフードに添加されたエトキシキンが、アレルギー反応、皮膚病問題、主要臓器の障害、異常行動、がんなどの発症に関係しているようだという見解を発表しました。それを受け、FDAはエトキシキンの主要製造元であるモンサント社に、現在の基準値の半分の75ppmでの抗酸化試験を依頼したと言われています。
酸化防止剤が添加されたおやつやウェットフードなども多く出回っており、一つ一つは微量でも全体的に見るとかなりの量を体内に取り込んでいる恐れがあります。 特に半生のフードや半生のおやつなどを選ぶ際には、酸化防止剤や着色料などに十分注意が必要です。